弁護士の仕事は、
事件処理だけでは終わらない
法律実務を軸に、経営・教育・テクノロジーへ仕事を広げる
※掲載されている情報は2026年時点のものです
現在の仕事について
弁護士の仕事は、依頼者の相談を受け、事件を解決すること。それが原点です。ただ、弁護士の仕事は、目の前の一件を解決するところだけで終わるわけではありません。より多くの依頼者に、安定して質の高い法的サービスを届けるには、組織の仕組みそのものをよくする仕事も必要です。
私は現在、事務所の経営に関わる業務と、教育推進室長としての人材育成を担当しています。経営に関わる業務では、各部門の数値や案件の進み方を確認し、現場の声を聞きながら、業務改善、人員配置、評価制度、組織体制などを検討しています。
たとえば、法律相談の担当者は、弁護士の空き状況だけを見て担当者を決めればよいと思うかもしれません。実際には、弁護士ごとに得意な分野があり、分析すると、その違いが数字に表れます。そこで、各人の強みを踏まえて担当を割り振る仕組みに変えたところ、相談を担当する弁護士の準備負担が軽くしながら、同時に、組織としての成果にもつながりました。
このように、数字の変化を見つけたら、現場で何が起きているのかを確かめる。そのうえで、仕事の進め方を変えるのか、人を育てるのか、システムで支えるのかを考えるのが、私の仕事です。法律知識に加えて、データ、人、仕組みを組み合わせながら問題を解いていく点に、弁護士として経営に関わる面白さがあります。
教育推進室では、新人弁護士の教育に加え、管理職向けの昇格試験や研修にも取り組んでいます。経営と教育は、別々の仕事ではありません。組織の課題を制度だけで解決しようとしても、それを運用する人が育たなければ定着しません。現場で見つけた課題を教育に反映し、教育を通じて次の改善につなげることを大切にしています。
経験を「学べる形」にする
仕事ができる先輩のやり方は、そばで見て盗むもの。そう言われることもあります。しかし、見て盗める人だけが伸びる組織では、教育とはいえません。
経験を積んだ弁護士は、多くの情報を見ながら、無意識に優先順位をつけ、適切な判断をしています。けれども、その判断を個人の感覚のままにしておくと、ほかの人は同じ場面で再現できません。
そこで、新人弁護士に結論だけを伝えるのではなく、どの事実に着目したのか、どんなリスクを想定したのか、なぜその選択をしたのかまで言葉にすることを意識しています。正解を覚えてもらうだけでなく、別の案件でも使える「考え方」を持ち帰ってもらうためです。
さらに、その考え方をマニュアル、教材、試験、研修、システムなどの形に変えます。仕組みをつくる目的は、人を細かく管理することではありません。一人一人が迷う時間を減らし、より重要な判断や、依頼者の方への対応に力を使える環境をつくることです。
新人の段階では、法律知識や事件処理の基本を身につけることが中心です。その先には、自分が成果を出すだけでなく、後輩を育て、チーム全体で成果を出すという役割もあります。実務能力の高い人が、はじめから人材育成や組織運営にも詳しいとは限りません。だからこそ、部下への伝え方、目標の設定方法、数値の見方、問題が起きたときの対応も、学べる形にする必要があると考えています。
AI時代の弁護士像
AIが広がれば、弁護士の仕事は減っていく。そう不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、AIが簡単に「答えらしきもの」を示せる時代ほど、弁護士の判断は重要になります。
AIは、資料の整理、文章の作成、情報の検索、論点の洗い出しなど、これまで人が多くの時間を使っていた仕事を大きく変えつつあります。一方で、AIが示した内容が事実や法律に照らして正しいのか、案件ごとの事情に当てはめてよいのかを確かめ、その判断を依頼者の方にわかりやすく説明することは、弁護士が責任をもって行う仕事です。
むしろ、答えがすぐに得られるようになればなるほど、その答えを検証する力や、そもそも必要な情報が不足していることに気づく力が問われます。法律知識はもちろん、事実を丁寧に聞き取り、問題を正しく設定し、最後は自分で判断する力が、これまで以上に弁護士の価値になると思います。
私自身も、AIを一人の作業を速くするためだけの道具とは考えていません。どの業務に使うのか、どこで人が確認するのか、個人情報や機密情報をどう守るのかまで含めて、安全な業務の仕組みをつくる必要があります。
また、AIは教育にも活用できます。教材作成を支援したり、実際の会話や文章を振り返ったり、一人一人の理解度に応じた練習を行ったりすることで、これまで以上に具体的で実践的な教育ができると考えています。AIに任せる部分と、人が責任をもって判断する部分を適切に分けながら、業務の質と生産性の両方を高めていくことが、今後の法律事務所には求められます。
アディーレで働く魅力
アディーレで働く魅力は、法律実務を軸にしながら、弁護士としてのキャリアをさまざまな方向へ広げられることです。組織の規模が大きいため、事件を処理する仕事だけでなく、組織運営、人材育成、業務改善、システム開発、広報など、多様な仕事があります。
私自身も、入所した当初から、日常業務のなかで「もっとわかりやすくできないか」「より効率的な進め方はないか」と考えることが好きでした。最初は自分の担当業務を改善するところから始まりましたが、現在では、事務所全体の制度や業務の仕組みを考え、人材育成やAIの活用にも携わっています。
一人の弁護士が抱いた小さな疑問や提案が、実際の業務や制度に反映され、多くの弁護士や依頼者の方に届いていく。これは、アディーレの規模があるからこそ得られる手応えだと思います。法律実務を深めたい人にも、そこから新しい領域へ挑戦したい人にも、可能性のある環境です。
秦 和昌 の一日のスケジュール
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10:30
出勤・情報の確認
メールや報告に目を通し、各部門や案件の状況を把握します。
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11:30
数値や課題の整理
各部門の実績、案件の進捗、業務上の課題などを確認します。
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13:00
昼食
午後の会議や相談に向けて、資料や検討事項を確認することもあります。
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14:00
部門責任者・関係部署との打ち合わせ
現在の課題や今後の施策について、実行可能な対応策を話し合います。
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16:00
制度設計・資料作成
業務改善、人員配置、評価制度、教育制度などについて、具体的な案を作成します。
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18:00
部下からの相談・決裁
判断の理由や考え方を伝え、次から自分で判断できるようにすることも大切にしています。
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19:30
残った業務の整理
資料の修正、メールへの返信、翌日以降の予定の整理などを行います。
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20:00
AIや新しい技術の検討
AIに関する調査や実験を行い、業務や教育への活用方法を検討します。
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21:00
退勤
その日の課題と翌日以降の予定を整理して、業務を終了します。
メッセージ
修習生にメッセージ
修習生の段階で、将来どんな弁護士になりたいかを、すべて決めておかないといけないというわけではありません。実際に仕事をして初めて、自分の得意なことや、面白いと感じる領域が見えてくることもあります。
新人のうちは、法律知識が十分ではなかったり、うまく説明できなかったり、仕事の進め方に迷ったりするのは当然です。大切なのは、わからないことをそのままにせず、考え、質問し、次の仕事に生かすことです。
弁護士の仕事は、これからも変わっていきます。法律知識に加えて、新しい技術を理解すること、データから課題を見つけること、周囲の人と協力すること、自分の経験をほかの人に伝えることも、ますます重要になります。
アディーレには、法律実務を深める道だけでなく、経営、教育、業務改善など、さまざまな方向に力を伸ばせる環境があります。依頼者のためによりよい仕事をしたい、そのために自分自身も変化し続けたい。そんな方と一緒に働ければと思います。